人気ブログランキング | 話題のタグを見る

Etsuhaのモンハン日記と夜叉丸のネタ日記
by yaksaboy
[モン]ヘタレ剣士ETSUHAの日記_010_A-I


■第10話 A-Part-I■

『Trouble』

~(異変)~


●あらすじ●
 村に帰ったヘタレ剣士ETSUHAを待っていたのは老獪な村長が用意した奇天烈新人Kannoeだった!
 村長からの命令でミナガルデ型城塞都市"ルーキー"にやってきた二人。
 一人での狩り初日、酒場でうまくパーティに拾われたKannoeは見事毒怪鳥"ゲリョス"の討伐始めとするクエスト群に成功。ビギナーズラックでレアアイテムを次々手に入れ、狩りは絶好調に達しようとしていた。




 これでまた少しお金も素材も入ったし、まだまだ狩るぞーっ!!(≧∇≦)ノシ

Kannoe
「マル‥‥っと」

 いつものように冊子に今日あった出来事を書き終えて、アタシは大きく体を伸ばした。最近は書かなきゃいけない事だらけ、こうして日記をつける時間も長くなってる。よくまあ自分でもこんな座りっぱなしのコトが続くもんだー、と大アクビしながら思う。

青年ハンター1
「そんな熱心によく日記なんか書けるなー! 感心するよホント」

 横から声をかけたのは、このパーティで一番年長の男の人だった。名前は‥‥えーと‥‥どーも人の名前覚えるの苦手なんだよね‥‥。とりあえずこういう時は「あんちゃん」って呼んでおけば納得してくれる。
 アクビで出た涙を擦ってみんなの方を向く。みんな思い思いに夜を過ごしていて、テントの中はランプの灯りにピッタリのなごんだ空気が広がっている。

 とりあえずみんなを紹介しておこうかな。
 毛布をかぶって早くも寝てるのが、リーダー。アタシより年上のお姉さんだけど、狩り場の知識とか武器の使い方はすごくよく知ってる。狩りのプランを立てるのも彼女が率先してやってくれるのでアタシたちは楽ちんだ。
 って言っても誰かがリーダーに指名したわけでも、彼女が立候補したわけでもなくって、彼女がワイワイやってるアタシたちを手招きして色々教えてくれたり指示してくれたりしたのがバッチリみんなの呼吸に合ったんで自然と彼女がリーダーになっちゃったって感じ。

 そう。リーダー以外はアタシも含めて、すごいド初心者ハンターだったんだ。

 まずあんちゃん
 彼はとにかく、全身雄火竜"リオレウス"の素材で作った武具・防具で身を固めてるせいで目立つ!
 どーも本人もそれが気に入ってるらしいんだけどねー。大剣もリオレウスから作る炎剣"リオレウス"で揃えちゃって。
 でもよく目立とうとして一人で突っ込んではリーダーに怒られてるんだよねー‥‥あんちゃん、ちょと困った子です。

 最後は‥‥リンカ! うん、この娘だけは名前覚えたぞ♪
 アタシと同い年で、やっぱりから仮ライセンス出してもらったばっかりなんだって。リンカあんちゃんと同じ大剣使いなんだけど、なんか‥‥こう‥‥たぁ~って斬りかかってもヨロヨロッてなっちゃう感じ。
 では村長さんランスを習ってたんで勝手が違うんだって。スゴイよねー。アタシなんかまだ片手剣だけで精一杯なのにねー。

 ともあれ、この4人でパーティを組んで、アタシたちはこの2日間ずっと狩りをして来たんだ。‥‥何だか夢見たいな時間だったなぁ。

あんちゃん
「ま、ともあれ明日は念願の強敵・雌火竜"リオレイア"だからな~。
 明日なんかもっと書く事増えるんじゃないか!? つーか俺の事はカッコよく書けよ、カッコよく!!」
リンカ
「死なないように頑張るから私の事も書いてねー」
Kannoe
「んー、アタシまだ火竜狩った事ないんだー。楽しみ~!」
リーダー
「‥‥うるさいよぅ」

 まだまだ眠りたくない。明日が楽しみで大人しく寝てなんかいられない気分。
 だけど、そういう時こそ寝なくちゃいけないんだよね‥‥アタシたちは寝返りを打ったリーダーに遠慮してランプを消すと、もそもそと毛布をひっかぶって横になった。
 一瞬だけ角の生えたエツハさんの顔が脳裏に浮かんだ。
 ‥‥エツハさんだったら、きっとはしゃいでるアタシたちを殴ってでも寝かせてたんだろうなぁ。

 ‥‥んにゃ‥‥締め落としてでも‥‥(゚Д゚;)?

 ‥‥‥‥それとも鈍器で昏倒させてでも‥‥(゚Д゚;)?

 それとも‥‥‥‥それとも‥‥もしかしたら‥‥‥‥((((゚Д゚;))))ガクガクブルブル 。

 そんな事をあれこれ考えてる内に、アタシはいつの間にかグッスリ眠りに就いていた。

 ・
 ・
 ・

 翌朝、アタシたちはキャンプで装備を整えてから、念願の大物飛竜狩りに出発した。

 場所はもうルーキーも程近い密林フィールド

 作戦はこうだ。巣で身体を休めている雌火竜"リオレイア"を奇襲で狩り立て、追い回した後で傷ついた身体を休めようと巣に戻る習性を利用して罠にかける
 リーダー曰く、常套手段らしい。

 若干名
「目立たないじゃんか!」
 という反論もあったんだけど、リーダー
「大トリの落とし穴まで注意を惹きつけて誘い込む役が危険な上に難しくて‥‥」
 と深刻そうに呟いたのがやる気をかき立てたのかキャンプを出てからテンションが上がりっぱなし。リンカやアタシに絡んで来るのが鬱陶しいと言えば鬱陶しい。

 そんな不安さが顔に出てたのか、細身の眼鏡をかけたリーダーの静かな瞳が一瞬アタシを見た後涼やかに微笑んだ。

リーダー 
「‥‥大丈夫。落とし穴の上で待機して、突進して来た所を『正面から叩き伏せて穴に落としてね』、って言ってあるから」

 ‥‥アタシの知る限り突進全飛竜共通の致死攻撃で、生半可な攻撃じゃ止めるどころか巻き込まれてミンチになるような気がするんだけど‥‥。

 更に不安になったアタシの肩を、リーダーは少しテキトーにポンポンと叩く。

リーダー 
「‥‥だから大丈夫。ぶつかった瞬間吹っ飛ぶかもしれないけど、その時点でレイア落とし穴に落ちるから。致命傷だけは避けられると思うの」

 そう言ってヒラヒラ手を振りながら、こちらは雌火竜"リオレイア"の素材で作った防具とライトボウガンを担いで森へと歩いて行く。

 ‥‥色んな人がいるなぁ(゚Д゚;)

 ・
 ・
 ・

 ともあれ、作戦は開始された。

 キャンプから鬱蒼と草木の生い茂る2番エリアを抜けて洞窟へ。そしてそれを抜けると、高台に作った火竜の夫婦の巣が見えてくる。
 アタシたちは一気に飛びだして‥‥一瞬、呆然と立ちつくした。

 そこには望んでいた雌火竜"リオレイア"の姿はなかった。でもそれはそんなに問題じゃなかった。問題だったのは、周囲には累々と二足毒小竜"イーオス"たちの無惨な死体が散乱しているって事の方だ。

ETSUHA
イーオスランポスみたいな二足小竜飛竜は、生活圏が非常に近しいからよく一緒にいるところを見る事もある。
 でもヤツらは元々が好戦的で肉食だから、別に共存してるワケじゃない。だから平気で互いを巻き込んで乱戦になるんだ。
 覚えときな、カンノエ。連中が一緒の場面に出くわしたら、場所を変えるか‥‥さもなきゃ小さい方から狩るんだ。数にもよるけど‥‥互いに殺し合う乱戦になると逆に思いもしないタイミングで変な連携や波状攻撃になったりするからね』
 
 そうだ。そのつもりだったからこそ、予定ではレイアがいなかったら、その間に巣にたむろするイーオスを片付けよう、って事になってたんだ。

あんちゃん
「なーんでー、わざわざ気張って走ってくる必要なかったな」

 そう言ってつまらなさそうに倒れたイーオスの死体を摘み上げては奇妙な歓声を挙げる。

リーダー
「‥‥巣もグチャグチャ‥‥マズイわね」 

 リーダーが様子を見ていたのは、巣の中でも高台に誂えられた枯れ草と枝で出来た卵用のベッドだった。だがそこにはやはり、イーオスたちと同じように中身がぶちまけられ散乱した卵の残骸が残るばかり。リーダー少し深刻に舌打ちするのが聞こえた。

リーダー
「私たちがやったんじゃないって事が証明できないと、ギルドから処罰があるかも‥‥」
Kannoe・リンカ
『ええっ!?』

 リーダーが言うには、火竜夫婦・雄火竜"リオレウス"雌火竜"リオレイア"は非常に好戦的で残忍。敵対行動を取った者に容赦しない苛烈さを持ち合わせていて、運搬クエスト飛竜の卵を失敬しなきゃいけない時なんか相当気を付けなければいけないんだそうだ。

 そしてその卵が全滅した場合や巣が潰された場合など、時として彼らは縄張りを離れ人里を襲い報復する事があるんだとか。

 ひょっとすると今回もそれに当てはまるかもしれない、とリーダーは言った。

あんちゃん
「って事はコッチもそいつらの仕業って事か。じゃ俺らの1つ前の組じゃないの?」

 しかし相変わらず脳天気そうな声で、あんちゃんは言い、また1匹のイーオスだったモノの頸部を摘み上げた。そして今度はそれを、アタシたちに見えるように目の高さまで持ち上げたまま近づいてきた。

 って

Kannoe
「うわあぁあ! ヘンなモン持って来るな~っ!」
あんちゃん
「ヘン‥‥ってそりゃないだろカンノエ~! ホラ見ろよコレだよコレ」
Kannoe
「ぎゃああ近づくな~~っ!!」
リンカ
「ゴメンあんちゃんカンノエちゃんうるさいから近づかないで~」
あんちゃん
「うわっ、リンカさりげにキッツイ!?」

リーダー
「静かに!

 ‥‥で、それがどうかしたの? ただのイーオスの首でしょう?」

 アタシたちの馬鹿騒ぎを一蹴すると、リーダーは改めてあんちゃんに訊ねた。
 あんちゃんはふと真顔に戻ると、手にぶら下げたままの首の切断面を指さしてみせる。

あんちゃん
「確かにまあ、別にちょっと力持ちなヤツならイーオスぐらいは倒せるだろうけどさ。こう見事に一刀両断出来る武器と腕力って相当なもんだと思うよ? 一般的には。
 それに――」

 あんちゃんはそう言うと首を元あった他のイーオスの部品の群れに投げ込んだ。
 そして今度は、それら部品全体を指さして。

あんちゃん
「――全部違う武器で殺されてるみたいなんだよね」
 
戻る
このシリーズの一覧に戻る
モンスターハンター日記一覧へ戻る

# by yaksaboy | 2005-10-04 18:23 | モンスターハンター日記